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YVR 島から見たり聴いたり

トロント生活40余年の後に西海岸
ブリティッシュ・コロンビア州の州都
ビクトリア市に国内移住。
新たな街からの生のニュースを
バンクーバー発行の日本語誌
「バンクーバー新報」に2017年より新連載。
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親日家

秋のビクトリア日系人バザー

 

  9月から10月に掛けての秋は、当地ビクトリアも夏の喧騒が去り「待ってました!」とばかりにあちらこちらで興味深い行事が重なる。

 

 特に教会が絡むイベントは、ボランティアとして骨身を惜しまずに働くリタイアした善男善女のシニアが多いことに驚かされる。

 

 聞けば他のエスニックのグループも多かれ少なかれ同じと言うが、日系人が中心になって開催される10月末の『秋祭り』も例外ではない。少なくとも1000人以上が会場に足を運ぶため会場は大賑わい。

 

沢山の入場者で賑わう会場

 

 中でも各種の日本食や1300個ほどの和菓子は飛ぶように売れ、関係者は一週間ほど前から準備に忙しい日々を送る。

 

甘い匂いが漂うキッチンで‟manjyu making"

 

和菓子作りに精を出す子供も含むボランティアたち

 

 ちなみにこの和菓子作りを日系人たちは「manjyu making」と呼ぶ。初めてこの言葉を聞いた時思わず吹き出しそうになった。だが日本語環境の中で育たなければこの可笑しさは分からないと思い笑いを我慢した思い出がある。

 

 こうした食べ物以外にも、多くの人々から寄付される日本のクラフト類、食器、アンティックの飾り物、着物などなど、2000個以上はある品々に一個ずつ値段を付けるのも大仕事。

 

 だが実はこれが驚くほど売れるのだ。毎年掘り出し物を探しにくるカナダ人の常連客もいて、これだけで有に$3000以上の売り上げがある。 

 

バザー当日の光景

 

 次々に買っていくカナダ人たちの日本に向ける好意的な態度には驚くが、彼等には「異国情緒」を駆り立てられるからだろうか。

 

日本大好き

 こうしたカナダ人の日本好きは今に始まったことではないが、最近私が係わった当地のアートギャラリー主催の訪日グループの面々も日本をこよなく愛する人たちだ。中にはすでに23回訪日している人もいるが、毎回訪問地が異なるためその都度大満足で帰ってくる。

 

 アートギャラリーの主催だけあって、いつも日本ならではの文化を十分に満喫できる訪問地を選ぶ。今秋は福岡から伊万里、有田の窯元を訪ね、瀬戸内海の手島、直島など島全体がアートに力を入れている島々を廻り高野山で締めくくる。

 

 出発前には引率するギャラリーの元学芸員が3回に渡って日本史、古美術、当時の人々の暮らし向きなどを解説し旅心を駆り立てる。そこに今回は私も4時間程の講義を引き受け、現代の日本について解説した。

 

 簡単な日本語での挨拶、ひらがな、カタカナ、漢字の歴史、日本社会のあり様、例えば少子高齢化の現状、最近になってやっと上場企業の女性役員が1割を超えた事(フランスは42%)、女性国会議員の比率(193カ国中165位)、ゴッチャ混ぜの宗教観(結婚式は教会、お宮参りは神社、お葬式は仏式)、引きこもりの現状、いじめの実情、はたまたデパ地下、100円ストア、ワッシュレットの普及率・・・など等、あらゆる角度からの日本に言及したのである。

 

 運よくこの秋に繰り広げられた皇室の数々の行事にも触れることが出来たのはラッキーで、チャールズ皇太子が要人の一人として招待され貴賓席に座る写真には、「彼一人で行ったの?パメラ夫人は?」となり「大方の英国民は彼女を受け入れてないもの、当然よ」などと話しが弾んだ。

 

「パメラ夫人を伴わないのは当然!」とは参加者一同の意見であった

 

「Empress Masakoは何と綺麗でしょう!」と大評判

 

 私は日本生れの日本育ちで少なくとも1、2年に一回は訪日し、日本の情報に疎くならないよう気を付けているが、いざ人前で発表となれば正確な数字や年月を調べる必要があり、資料作成にはかなりの時間を要した。

 

訪日を前に日本に関して講義を受けるグループ

 

講義後のグループ写真

 

講義の後は日本レストランに繰り出して訪日前の気分を盛り上げる

 

 しかし後日、以下のようなメールを貰うと単純に嬉しくなってしまう:

Thank you again for the pre-tour information last week.  You must have spent hours researching to have amassed all that detail. (中略)I realized after I got home that you had put an immense amount of effort into giving us that comprehensive overview.

 

困った訪日客

 

 何度も訪日する人々に理由を聞くと、必ず返ってくる答えは、➀日本人は親切で優しい ➁正直で騙されること等ない Dが清潔で安全 ➃チップがいらない、等など。

 

 しかしそうした日本人の美点を逆手に取って、先日はラグビー観戦に来た外国人旅行者の一部が暴徒化し問題になった。

 

 車中や公道でスクラムを組む、酔っ払って投げた空き缶がタクシーの屋根に落ち、抗議する運転手に謝ることもしない、閉まった店のシャッターに向け背負った仲間を体ごとぶつけてへこませる・・・等など傍若無人な振る舞いをする輩もいたと言う。

 

 これは一言で言えば「日本人を舐めている」としか言いようがない。 

 

 とは言え、もし彼らと話して見れば「日本はいい国だ、大好きだ、日本人は素晴らしい、だからこうして訪日した」などと抜かすだろう。

 

 だが内心は、「どうせ日本人は英語が出来ないからこんなことをしても大丈夫だろう」と‟高をくくった態度”の表れなのは火を見るより明らかである。

 

 こうしたふとどきな訪日外国人に対し、多少ブロークンでもいいから食って掛かり、謝らせるくらいの英語力が日本人は何時になったら身につくのだろうか。 

 

 外国から英語教師を雇い、国を挙げて「英語!英語!」と騒いでいる割には、その効果がいまだ薄く歯がゆくてならない。

 

 こうした訪日客絡みの事件を、最近日本は「観光公害問題」と位置付けているようだが、来年のオリンピックで同様の光景が繰り広げられないことを切望する。

 

 

 

 

 

 

 

 

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