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YVR 島から見たり聴いたり

トロント生活40余年の後に西海岸
ブリティッシュ・コロンビア州の州都
ビクトリア市に国内移住。
新たな街からの生のニュースを
バンクーバー発行の日本語誌
「バンクーバー新報」に2017年より新連載。
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人の痛みの分かる人

ビクトリアのゲイパレード

 

ビクトリアの今夏のゲイパレードは、7月の第二日曜日に行われた。気温は21℃で快晴、海からのそよ風も爽やかでまたとないパレード日和であった。

 

毎年一番の焦点となるスポットは、州議事堂前の一角である。

 

州議事堂をバックに

 

新聞社や実況放送をするラジオ局などの報道陣が集まっているため、パレードの参加者たちはこの辺りで一段と派手なジェスチャアと奇声を上げ周囲を湧かせる。

 

メディアも大忙し

 

ラジオの実況放送で活躍するドラッグクイーン

 

とは言え、北米最大とも言われるトロントのゲイパレードを何度も取材してきた筆者には、やはり当地のはこじんまりとしており、度肝を抜かれるような仮装をする人もなく、何となく可愛らしい域を出ていないように見受けられる。

 

 

それにしても年一度のこの祭典は今でこそ市民権を得ているし、カナダは世界で3番目に同性婚を認めた国であるが、ゲイであることが知られただけで投獄された半世紀前(1967年当時)とは何と言う違いだろう。

 

だがそれでは今カナダのゲイたちは、全く問題なく日常生活を送っているかと言えば「NO」である。それは居住する場所、宗教上の理由、単に毛嫌いなど、理由はいろいろあるが嫌悪感を露にする人も少なくないのが現状である。

 

カップルで仲良くパレードを見る

 

拙著「カナダのセクシュアルマイノリティたち、人権を求め続けて」

 

かく言う私も2005年に表記の著書を出版するまで、例えば彼らが求めていた「ゲイの権利」等というものにはまるっきり無知であった。だが未知のものを知りたいと言う思いから、書物を読み、トロントはもとより、NYにも又世界で初めて同性婚を承認したオランダにも行き無数の人々をインタビューした。その経過をまとめたのがこの一冊である。

 

 

これは私に取って深くて幅の広い学びの経験であったが、知れば知るほどこの程度の理解でゲイだヘテロだを語るのは口幅ったいと思うに至ったのも事実であった。

 

どの人も心の襞を一枚一枚剥がすように思いを語ってくれたのだが、その中には私の義弟も含まれていた。相手の立場を細かく配慮する思いやりの深い彼も、また長い心の旅路の末にカミングアウトした一人であった。一度は結婚し子供も3人いる中で、やはり自分の心に正直にと離婚に至ったのである。

 

フェアウェル・パーティーでの義弟とパートナー

 

彼は、キリスト教の中ではいち早くゲイを承認したUnited Churchの牧師であったが、6月にリタイアして、パートナーと共にシニアライフ入った。若い頃は彼も例外なくいじめに遭い心の葛藤を経験しているせいか、他者を思う優しい人柄が信者たちから絶大な信頼を得ていた。そして最初の結婚で得た子供3 人と孫3人は、今かけがいのない喜びと言う。

 

居並ぶ信者たちに惜しまれて最後の礼拝を終えた後、多くのボランティアが協力して開いたフェアウェル・パーティーは見事なまでに明るく楽しいものだあった。

 

別れを惜しむ信者たち

 

一橋大の学生の自殺

 

さて日本はと見ると、徐々にではあるが、この数年の間に事態が変化していることが分かる。中でも「性同一性障害」に対する人々の寛容さと認識は大きく、先日はお茶の水女子大が20年度からトランスジェンダーの学生を受け入れることを決定した。

 

だが一方、やはり最近だが「ゲイだとばらされ転落死」という記事がネットに載った。「同性愛者であること」を、同級生に同意なく口外され苦しんでいた一橋大の法科大学院生が、20158月学校から飛び降り自殺した事件の引き続きを報じたものだ。

 

すでに3年前のことだが、亡くなった学生(当時25)の遺族、口外した男性、大学も絡む複雑な事件として裁判沙汰になったのである。詳細はネットを見れば分かるが、ゲイであるために消えた一つの命。親の思いは如何ばかりか、考えるほどに心が痛む。

 

無知の極みの杉田水脈衆議院議員

 

 

今は日本ばかりではなく世界の多くのメディアも注目し、醜聞をまき散らした杉田水脈衆議院議員の「『LGBT』支援の度が過ぎる」の記事には、心底呆れてものも言えない。カナダでも報道されたが、同性婚をして子を産まない限り日本社会では人間として扱われないのか?!

 

 

麻生副総理の「法律にセクハラ罪と言うのはない」という放言と共に、日本の国会議員の勉強不足の無知を嫌が上にも知ることとなった。

 

実にお寒い限りである。

 

 

 

 

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