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バンクーバー島から    見たり聴いたり

トロント生活40余年の後に西海岸ブリティッシュ・コロンビア州の首都ビクトリア市に国内移住。新たな街からの生のニュースをバンクーバー発行の日本語誌「バンクーバー新報」に2017年より新連載。
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生まれ変わった公園

 

ビクトリアの街を訪れたことのある人の多くは、この町の「清潔さ」にまず気付づくようだ。かく言う私も、活気はあるもののきれいとは言い難いカナダ最大の都市トロントから3年前に国内移住した時、まず驚いたのは公共の場のちり芥の少なさだった。

 

美し海に囲まれた町

 

とは言え小規模ながら、ここは州議事堂のあるBC州の州都。

 


国会議事堂の夜景

 

場所によってはゴミも散乱しているし、当然(!?)ながら、ホームレスも居れば麻薬中毒患者がうろつく一角もある。

 

夏を迎える季節になると彼らに関する負のニュースが目立ち、市民に注意を促す記事がメディを賑わす。それは学童たちが公園でエキササイズや各種のアクティビティを行い、また週末には音楽祭を始め野外での催し物が開催されることが多くなることで、公園で寝泊まりするホームレスの問題が再燃するからだ。

 

彼らが捨てる使用済みの麻薬の注射器などが草むらで発見されるなども市民のいら立ちを募らせる。先日はある小学生の女の子が捨てられた針に刺された事件が報告された。

 

都会であれば必ず聞かれるホームレス問題。一年程前までは、ダウンタウンにあるBC州裁判所の裏手に広がる庭に、200 人近い人々が群がり住んで「テントシティ」を呼ばれるコミュニティを形成していた。

 

州裁判所(遠景のビルディング)の裏庭を陣取ったテントシティ

 

騒音、麻薬、売春、不潔な生活からはびこる大ネズミの発生等など、悪の温床と化した場所から彼らを立ち退かすのに関係者たちは躍起になった。

 

反対側にあるカトリック教会

 

もちろん追い出すだけでは問題解決にならないことから、市は彼らの生活の立て直しのために、古い建物や学校を改築するなど2600万ドルもの資金を投入し、一時的/半永久的な低賃金の住宅を提供した。

 

だがこれで問題が一掃したかと言えばNOである。何しろ当市は国内では一番温暖なため、寒冷地のエドモントやカルガリーの某機関は、自分たちの街からホームレスを追い払うためバスの片道切符を渡して追い出すようなこともしている、などの噂も流布されるほどである。

 

ではテントシティ跡はどうなったかといえば、日々子供の歓声が響く遊園地へと大変身した。

 

生まれ変わった公園(遠景に州裁判所)

 

汚染された土を50センチも剥ぎ取り、ダンプトラック75台分の新たな土が運ばれ、何本ものあった大木が切り倒され、子供の身に危険がないように視界が利くことに配慮された。〆ての費用は35万ドル。

 

生まれ変わった公園(遠景にカトリック教会)

 

まさにイタチごっこの感があり、ホームレス問題は今までも、そしてこれからも決して消滅することはない成熟社会が背負い続ける永遠の課題であると言えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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