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バンクーバー島から    見たり聴いたり

トロント生活40余年の後に西海岸ブリティッシュ・コロンビア州の首都ビクトリア市に国内移住。新たな街からの生のニュースをバンクーバー発行の日本語誌「バンクーバー新報」に2017年より新連載。
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ビクトリアの日本人・日系人コミュニティ

 

カナダ広しと言えども、ビクトリアほど教会の多い町はそれ程ないのではと思う。町が小さいからそんな感じを受けるのかと思ったが、調べてみると確かにここにはchurchと名の付くものは180ほどもあることが分かった。

 

Victoriaのダウンタウンには、マリファナの喫える喫茶店の向こうにさえも教会の塔が見える

 

この中には、教会がエスニック・コミュニティの中心になっているものも多い。例えばポルトガル人、ギリシャ人などが良い例で、夏に催される「〜祭」などに行ってみると年齢層の幅は広く老若男女が入り混じっている。彼らの生活には教会と言うものがしっかりと定着しているように見えるが、それでもシニア層は若者の教会離れを嘆いている。

 

若者が多い教会のポルトガル人のパレード

 

ギリシャ人のお祭りにも若者の姿が多い

 

一方、白人の多いキリスト教系の教会に行き参列者を後ろから見ると、白髪、薄毛、染め毛のシニア達がほとんど。それらの人々の合間にごくごく僅かに就学前の小さな子供連れの中年カップルがいる、というのが今日の(少なくともビクトリアでの)教会のあり様のように見受けられる。

 

当地に長く住んでいる年配のカナダ人と話していると、週日でも「今日は教会の何々があって手伝いに行く」と言うようなことを頻繁に口にする。煎じ詰めれば「シニア=教会活動」という構図になり、善意のボランティアによって教会というのは成り立っているのだと改めて知るのだ。

 

では日本からの移住者、日系人はどうかと言えば、小規模ながら彼らが集まる教会は存在するものの、そこが「コミュニティの中心」にはなっていない。周知の通り一般的な日本人は特定の「宗教」を持たず、結婚式は「教会」、子供のお宮参りは「神社」、人生の終焉は「お寺」ということに何の違和感もない国民である事を考えれば、ムべなるかなと思う。

 

では当地の日本関連の団体にはどんなものがあるかと言えば、英語中心の日系人グループ、日本語中心の移住者グループ、子供が日本語学校に通っている親のグループの三つである。だが日常的な横の繋がりは余りないようだ。

 

私的な推察だが、その最大の理由はバンクバーやトロントのように、バックグランドや世代を問わずに集える特定の場所がないことにあると思われる。町の公民館を借りての「お正月会」や「カルチャル・フェア」には、カナダ人・日系人・移住者たちがかなりの数集まる。

 

日系人・日本人移住者の集まるお正月会

 

太鼓の演奏

 

それを考えると、場所さえあればもっとまとまったコミュニティを作り、カナダ人に向けて「日本文化発信の要所」として活動出来ると思うのだ。

 

この島は「午後のハイティー」の風習が今も根強く残るほど英国風で、それを人々はとても誇りにしている。カナダにいてそんな雰囲気を楽しめるのは嬉しい事である。

 

午後のハイティーを供するレストラン

 

一方、ここは太平洋の向こうは日本という地理的条件や、「犬も歩けば国際結婚の日本女性にぶつかる」と言われるほど若い人材がいる町でもある。にも関わらず、語学力もある 彼女たちの持つ潜在能力を発揮出来る場がないのはとても残念である。

 

夫を通してカナダ社会に溶け込んでいるのは真に結構ながら、移住者に取って母国を忘れることは決して出来ない。満たされない思いを里帰りで埋めてしまうのは実に勿体ないことだ。

 

 

 

 

 

 

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