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バンクーバー島から    見たり聴いたり

トロント生活40余年の後に西海岸ブリティッシュ・コロンビア州の首都ビクトリア市に国内移住。新たな街からの生のニュースをバンクーバー発行の日本語誌「バンクーバー新報」に2017年より新連載。
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「YVR新報」新連載 V島 見たり聴いたり

Jan 19, 2017,

 

No.1 シニアの定義

 

 

 何年カナダに住んでいても、クリスマスの賑やかな行事の後に来るお正月が、たった一日の休日であることに物足りなさを感じる日本育ちの方は多いことだろう。

 

 とは言え、最近の日本も新年とは言っても昔ほどではないと聞く。それでも、あののんびりとした「三が日」の雰囲気は離れるほどに懐かしく思い出される。

 

 それを味わいたくて、常より高い飛行機代を払って訪日する人も多い。今年も親、兄弟姉妹、親しい友人たちとの再会で楽しい時間を過ごした人はいい思い出が出来た事だろう。

 

 一方久し振りに実家に帰って、親の「老い」という現実に驚いた人も少なからずいるようだ。友人のS子さんもその一人。この23年仕事が忙しく連絡はもっぱらeメール、Skype、国際電話でやり過ごしていた。

 

 母親はしばらく前に夫を亡くし今は一人暮らしだが、まだそんなテクノロジーを使えるからと、S 子さんは心の片隅で安心していた。だが現実は非情で、お正月に久しぶりに会って忍び寄る加齢に正直驚いたという。

 

 

 今はまだ日本の厚生省が定義している健康寿命「社会生活(学業・就労・運動など)を営むうえで制限のない期間」の範疇に入る。だが、これからも続く母親の独居生活、一人っ子である自分の立場を思うと「途方に暮れる・・・」と憂鬱そうだ。

 

 すでに何度も考えたことだが「カナダに来てくれないだろうか」との思いがまた頭をかすめる。父親が健在の頃から移住を勧めたが、決して首を縦には振らなかった。言葉は通じないし、第一住み慣れた日本を離れる気はないと言われ、それ以上押すことは出来なかったのだ。

 

 S子さんの様に一人っ子や、また子供の配偶者とうまく行かない親が日本にいる外国暮らしの子供の心配は、かなり深刻のようだ。

 

 日本は新年早々に、日本老年医学会が高齢者の定義を「75歳以上」にすべきと提言した。昨今は元気なシニアが多いのを受けてのことである。現在65歳以上は27%だが、もし75歳に引き上げると13%と半減するそうだ。しかしそうなると年金支給齢も10年遅くなることに繋がるかもしれないとか。

 

 それぞれお国柄があるのは分かるものの、同医学界は加えて6574歳を「准高齢者」、90歳以上を「超高齢者」等と区別して命名している。だがどうしてこんな区分をしなければならないのか、カテゴリー別にすることでそこに入らない人が優越感に浸りたいからなのか、まことに不思議で理解に苦しむ。

 

 また最近日本からのニュースで痛ましいのは、高齢者のブレーキとアクセルの踏み違い事故である。車社会のカナダも高齢者の事故は少なくないが、BC州では80歳になったら2年ごとに簡単な筆記試験があり、医者からDMERDriver’s Medical Examination Report)と呼ばれるお墨付きの書類を貰いRoadSafetyBCに送らなければならない。

 

 

 何しろ広い国だし、町のど真ん中でさえ交通機関が日本ほど発達していないことを思えば運転免許は欠くことの出来ない「必需品」なのだ。

 

 ビクトリアは国内で一番温暖なためリタイア後の移住が多く、シニアの人口は18.4%で海を渡った本土のケロウナ市は19.2%である。確かに全国平均の14.8%よりは高いが、それでもG8の国の中でカナダのシニア年齢層は最下位である。

 

                     〜*〜*〜*〜*〜

 

上記の記事は一月から始まった「バンクバー新報」の新連載「V島 見たり聴いたり」に掲載されたものです。記事の執筆からメルマガ掲載迄に10日ほどの時間経過があることから、内容に多少の変更が加わることもあります。

 

バンクーバー新報のサイト:

http://www.v-shinpo.com/columns/mitari-kiitari

 

 

 

 

 

 

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