SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

12
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--

バンクーバー島から    見たり聴いたり

トロント生活40余年の後に西海岸ブリティッシュ・コロンビア州の首都ビクトリア市に国内移住。新たな街からの生のニュースをバンクーバー発行の日本語誌「バンクーバー新報」に2017年より新連載。
ヴィクトリアで繁盛する商売(Vol.1)

去年の5月初旬までbits誌に「カナダ社会考」のコラムを連載していた。


読者の方々には、7年半に渡り130回余りのお付き合いを頂いたが、終了の理由は、BC州のビクトリア市に国内移住したためであった。


連れ合いが西海岸出身のため、いつかは古巣に戻るのが夢だったからだ。


トロントを去るにあたっては、知人友人から「ヴィクトリアはnatureだけは豊富だけどトロントのような文化は期待できないよ」とか「あそこはnewly wed nearly dead(結婚したてのカップルか、死ぬ間際の年寄り)しか住んでいないよ」などと度々言われた。


下見に何度か来てはいたが「う〜ん、ホントにそんな町なのか・・・」と内心は意気消沈。


トロントからは米国経由の5200キロを車で移動し、一度は落ち着いたものの余りにも郊外で気に入らず、再度の引越しで疲労困憊(ひろうこんぱい)。


だが落ち着いて辺りを見渡せば、なんの「人の住むところ必ずニュースあり!」を実感する。


要するに物の見方の角度を変えればいいわけで、そうなると、またゾロッと「書きたい病」がうごめく。


今度は、2月末には桜が咲くカナダで一番温暖な町(!)で日本に一番近い町(!)から、当地ならではのニュースをお送りしよう。


引越しをして新たな町に移れば、以前慣れ親しんだ場所とは違った目新しいものが目に付くのは当然であるが、ヴィクトリアに来てまず驚いたのは、セコンドハンドの品々を売る店がとにかく多く、そのどれもが大変に繁盛していることだ。

古着や

その名も「Women in Need 」「Value Village 」「sister’s Closet」「Big Brothers Big Sisters」など等。


個人の店、教会経営の店、NPO関係の店など運営形態はさまざまで、中には3040年以上もしっかりと商売をしている店も珍しくない。


50人近い雇用者を抱えた上に同数のボランティアが常時ヘルプしている店さえあり、主流の販売商品は衣類、家具、雑貨である。


値段は品物の保存状況で異なるが、オリジナルコストの1030%が目安で、ターゲットの客層はベビーからシニアまでと間口が広い。


カナダのシンクタンクIBIS Worldによれば、国内のこうした店の去年の総売り上げ高は1113億ドルで、年間で最低1%の収入増が見込まれているという。


新製品を売る同様のビジネスではせいぜい0.2%増といわれる中では、大変に安定した商売である。またどの店も、儲けの多くをフードバンンク、問題を抱える人々の各種シェルター、教育関係への助成金などをして社会に還元している。

古着や

Some ones Junk is some ones treasure」と言われるように、珍しい掘り出し物を探しに老若男女、金持ちも貧乏人も気軽に立ち寄り、また自分も「不用品」を誰かの役に立つことを願いながら寄付する。


成功の大きな要因は、なんと言っても、元手が掛からないことにあるようだ。


中には一日に60袋もの品々を整理する店もあるとか。それこそ「nearly dead」とニックネームを持つ町だから、亡くなった人の捨てるには惜しい品物の格好の処理先にもなっていると聞く。


2009年のリセッション以来景気が下降している中では、経営さえ地道に行なえば今後も繁盛すること間違いなしの商売である。


| 西海岸から | 11:53 | - | - | - | - |